
【試し読み】ヨエコ的メモワール 私がヨエコになるまで vol.1 〈記憶の始まり〉
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私がヨエコになるまで vol.1
〈プロローグ〉
公式ウェブサイトのインタビューにもあるが、私はシンガーソンクライター以前に、統合失調症と言う病気と共に生きている。
社会的には、障がい者でもある。
でも歌を通して誰かのお役に立てるならと、歌っている。
何故こんな数奇な人生にたどり着いたのか、自分の歩んできた道を少しずつ振り返りたいと思う。
どうぞお付き合い下さい。
〈記憶の始まり〉
私は、愛知の田舎で産まれた。
産まれてからの最初の記憶は、幼稚園時代から始まる。
3歳ぐらいだろうか。
家族構成は、祖母・父・母・叔父・叔母。
妹が生まれる前だ。
幼少期の父母の記憶はほとんどない。
共働きで家には居らず、私は祖母により育てられ、祖母の価値観で人格が形成されていった。
それが、良くも悪くも、後々この人生に直結する要因となる。
そして、音楽に触れた最初は、そんな幼稚園時代。
近所の子達が行く音楽教室へ私も通うことになり、そこでは、時々親子で参加するレッスンもあった。
他の子は、お母さんが付き添うが、私だけがお婆ちゃん。
幼心ながら、淋しくもあり、疎外感も感じていた。
頭の悪い私は音楽理論にだんだんついていけなくなり、レッスンは全く楽しくはなかった。
自宅にあった叔父の古いアップライトピアノで、気の向くまま、自作のでたらめな曲を弾いている方が楽しかった覚えがある。
その頃、1番記憶にあるのは、縁側の廊下の突き当たりに大きな椅子があり、そこは祖母の定位置で、私は肘掛けに座り、祖母と長い時間過ごしたことだ。
ここまで読んで下さった方は、祖母との温かい触れ合いの中で育ったかと思っただろうが、実は真逆だった。
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